自民党の新総裁に選ばれた高市早苗氏(10月4日、写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
今月、日本に新しい政権が誕生する。
日本を取り巻く北東アジアの安全保障環境は、かつてないほど悪化している。北朝鮮、中国、ロシア、そして台湾――。
日本は、いまや世界で最も危険な地政学的リスク地帯に位置している。
日本の平和のための最大の拠り所は、言うまでもなく日米安保条約である。しかし、日米安保条約は本質的に「一方的な安全保障」だ。
米国は日本を守るが、日本は米国を守らない。この非対称性は、米国内で草の根レベルの不満を生んできた。
その背景には、かつて日本企業が米国企業のライバルであり、米国の工場を閉鎖に追い込んだという苦い歴史がある。
日本車や家電が米国製品を駆逐したことで、米国の工場労働者に「日本製品が仕事を奪った」という感情が根強く残った。
その反感は、「なぜ米国が日本を守らなければならないのか」という疑念へとつながる。
こうした感情は、トランプ政権の再台頭を支える草の根保守層の中で、今もくすぶっている。
この構造を変えない限り、日米安保の基盤そのものが揺らぎかねない。その打開策こそ、「経済で日米を真の同盟関係にすること」である。
すなわち――MAGA(Make America Great Again)を日本が実行する。
米国のものづくりを日本が再生し、共に繁栄する新しい経済同盟を築くのだ。