(柳原 三佳・ノンフィクション作家)
「生前、長男の優空(ひなた)が、3歳年下の弟に『小学校に来たら一緒にドッチボールしよう、僕が守ってあげるきね』と、よく言っていました。幼い弟はお兄ちゃんのその言葉を聞いて、ものすごく喜んでいたのを覚えています。本来なら今年で小学4年生になっていたはずでした・・・」
そう語るのは、高知県南国市在住の岡林宏樹さん(48)だ。
岡林さんは2年前、自宅近くの生活排水が流れ込む川で、息子の優空くん(享年7歳)を失った(概要は、『高知県小学生水難事故概要 HP』事故概要―team_hinakun 【https://team-hinakun.jimdofree.com/%E4%BA%8B%E6%95%85%E6%A6%82%E8%A6%81/】参照)。
「ラッコ泳ぎをしていたら、沈んでいった」
優空くんが川底から遺体で発見された直後のニュースでは、以下のように報じられた。
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『小2男児が不明=川で溺れたか-高知』(時事通信/2019.8.23)
22日午後7時35分ごろ、高知県南国市の男性から「息子が帰ってこない」と県警に通報があった。高知東署は、南国市立稲生小学校2年の岡林優空君(7)=同市稲生=が川で遊んでいて溺れた可能性があるとみて捜索している。
同署によると、岡林君は同日午後1時ごろから、小学2~5年(*注・実際は1~5年)の友人と計5人で、自宅近くの下田川の浅瀬で遊んでいたとみられる。同署が行方を捜したところ、川岸で岡林君のものとみられるサンダルと本が見つかった。
友人4人は午後4~5時ごろ、岡林君が溺れるところを目撃しており、「ラッコ泳ぎをしていたら、沈んでいった」と話しているという。
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