午前1時、雨が強くなり、二次災害の危険があるとのことで警察や消防による捜索は一旦打ち切られた。岡林さんは一睡もできぬまま、夜明けを待ち、午前5時頃、雨の降る中、再び捜索を開始した。
警察と消防65人態勢での捜索は午前6時に再開。川の中には数名の捜索隊がボートで入り、上空からはヘリコプターでの捜索も行われた。
そして午後4時20分、優空くんが遺体で発見された。警察から電話を受けた岡林さんが走って現場へ向かうと、ブルーシートにくるまれた優空くんが救急車に乗せられるところだった。
遺体が見つかったのは下田川の中央付近。水深90cm〜120cmの場所で、川底から10cmほど浮き、うつ伏せの状態だった。発見場所が高知市だったため、ここから捜査の主体は高知県東署に変わった。
「司法解剖をしても無駄ですよ」と警察は遺族に言った
優空くんはすでに死亡し、身体には紫斑も出ていたが、そのまま高知医療センターに搬送され、遺体検案室に運ばれた。
岡林さんは、当時のことを振り返る。
「僕は個室で1時間ほど待ち、その後、優空と対面しました。警察からの第一声は、『死亡推定時刻は22日の午後3時頃。これはただの水難事故です。もし一緒にいた児童たちのことで何か証拠が出ても罪には問えませんので』というものでした」
『水死なので顔がわからなくなっているかもしれない・・・』という不安があったが、幸い優空くんは昨日見たかわいい寝顔のままだった。ただ、おでこに直系1センチくらいの傷が5~6個、さらに、顔の右半分に5~10ミリの複数のかさぶた状の傷跡があるのが気になったという。
「前髪の生え際から頭頂部にかけても、1~3ミリほどのかさぶた状の無数の傷跡がありました。僕はそれが気になり、警察官にこの傷は何でしょうか? とたずねると、『魚か貝にでもかじられたんじゃないか?』と、適当な感じの答えが返ってきました。おでこの傷は普通の化粧で隠すのは難しく、湯灌師さんに油性の染料を吹き付けて隠してもらいました」