ホンダジェットも発表、型式証明、最初の市場すべてが米国であった。日本人としては少し寂しいが、市場や社会的な受け入れ基盤ということを考えれば、仕方ないことだろう。
それでも、この発表で、一つの日本企業が作った商品としての空飛ぶクルマがどのような姿になるかが明らかになる。
現状、どのような仕様になるか、どのような形になるかは明らかにされていないが、実際の販売を見越したモデルとなれば実用性を考慮したものとなろう。
試作機を発表しても、型式証明を取得し販売に至るまではまたさらに長い道のりとなる。しかし、その姿が明らかになれば、空飛ぶクルマが市場に何を提案するのかが見えることになる。
関係者が教えてくれたところによると、GoFly用の機体と同じく主翼を搭載することで、浮揚に用いるエネルギーを節約する方向のようだ。
また、エネルギー密度の低い電池だけでは航続距離が限られるが、内燃機関も搭載しハイブリッドにすることを予定している。
電池よりエネルギー密度の高い化石燃料を使用できるようにすることでも航続距離を延ばすことができる。
そうした特徴を生かして、どのような形態のどのような性能を持ったものになるか、そして何が可能になるかは、発表までのお楽しみである。
筆者は空飛ぶクルマの開発には大きいな意義があると考えている。
一方で、空飛ぶクルマは期待先行で、どのようなものになるのか、既存の航空機に対してどのような優位性があるのかが、あやふやである。そうしたことにモヤモヤしたものを感じているのが正直なところだ。
本気で売り出すことを目指したモデルが現れれば、空飛ぶクルマのあやふやな部分がはっきりしてくるだろう。
空飛ぶクルマの将来についての議論もよりリアリティのあるものになっていくはずだ。
テトラ・アビエーションの今後の展開は非常に楽しみである。是非、空飛ぶクルマに対する懐疑論を吹き飛ばすようなものを生み出してほしい。