「麒麟9000」は、TSMCが5nm製造プロセスで生産している。

 現在、5nm回路線幅の半導体を製造できるのはTSMCとサムスン電子だけである。

 高度技術を有する2大メーカーであるTSMCとサムスン電子でさえも、アプライド・マテリアルズ、ラムリサーチ、KLAなどの米国製の製造装置なしでは半導体を製造できない。

 そのため、製造した半導体をファーウェイに出荷するには、米国に対して決して認可されない輸出許可を申請しなければならない。

 ファーウェイにとって残された道は半導体の国内調達である。

 そこで、中国は、自国のファウンドリ大手SMIC(Semiconductor Manufacturing International Corporation)に中国政府系のファンドから22億5000万ドル(約2400億円)を出資し、増産や技術開発に充てようとしている。

 しかし、SMICは、2019年第4四半期に、やっと14nmプロセスでのリスク製造(特定の顧客からのチップ製造の依頼を受けることなく企業独自に先行試験として行う製造)が始まったところである。

 これでは、ファーウェイが必要とする7nmや5nm回路線幅の半導体を製造することはできない。

 結局のところ、ファーウェイは最先端の半導体を調達する道は閉ざされたのである。

 ファーウェイには、旧世代のスマホを生産・販売するか、あるいはスマホ事業から撤退するかの2つの選択肢しか残されていない。