おわりに

 最先端半導体市場から締めだされた中国はスマートフォンや次世代通信規格「5G」向け機器の生産は難しくなり、米国とのハイテク覇権争いで敗北を喫しかねない。

 中国にとって国産化のペース加速が急務である。

 中国はハイテク産業の育成策「中国製造2025」で、半導体の国内自給率を2020年に40%、25年に70%まで高める目標を掲げているが、半導体市場動向調査会社である米ICインサイト(IC Insights)は、現在その3分の1しか達成できていないと予測している。

 また、同ICインサイトは、最先端半導体を製造するために不可欠な米国製の製造装置を使用することができない中国が、最先端半導体を自給自足できるまでの大きな進歩を遂げることは困難であろうという見方を示し、今後10年以内での自給自足の目標達成は難しいだろうとしている。

 ファーウェイの創業者兼CEOである任正非(レン・ジェンフェイ)氏は、最近負けを認めたかのような発言をしている。

 この発言は今年7月29日から31日にかけて上海交通大学、復旦大学などを訪問した際のものである。

「ファーウェイは、第5世代移動通信という(未知の世界を照らす台に)火を灯したかった。ところがマッチ棒を擦った途端、アメリカが振り下ろした棍棒に打ちのめされてしまった」

「当初は、われわれの法令遵守の手順に何か問題があったのではないかと考えを巡らせた。しかし2度、3度、4度と打ちのめされ、アメリカの一部の政治家はファーウェイの死を望んでいるのだとようやく気づいた」(出典:東洋経済オンライン2020/9/4)

 ファーウェイは、かつてZTEが厳しい条件で米商務省と和解(2018年6月12日)したように米国の軍門に下るのか。今後のなりゆきを見守るしかない。