キリスト教には「終油の秘跡」と呼ばれる、臨終に際しての儀式があります。

 いままさに死にかけている病人の枕元に、司祭(管理職の神父さん)が立ち、聖別されたオリーブオイルを塗る、あるいは注ぐ。そういう1600年来の習慣があります。

 コロナウイルスで絶命しかけているイタリアの患者にも、一切の分け隔てなく、各地のカトリック司祭はこの「秘跡」を行って、罪の許しと祝福を授けつつ、信者を天上に送りました。

 このようなとき、司祭がマスクをしたり、医療用の手袋をして、いま死にかけて、最期の意識の中であえいでいる人に接すると思われますか?

 防護服などは着ません。司祭の正規のガウンで、顔は出したまま、素手で患者の額に触れ、頬に触れ、死に行く人の罪を除き、祝福する・・・。

 宗教者ですから、当然、そのようにします。

 そもそも聖職者自身が高齢者であることが少なくありません。そして、末期の人や死亡直後の遺体に、敬意をもって接することで濃厚接触者となり、かなりの高確率でウイルスに感染してしまう。

 すでにイタリア国内だけで15人の聖職者が、コロナウイルスの犠牲となって亡くなっており、発症者の数はまだ把握し切れていないとのこと。

 このような「葬儀に類する感染ルート」が、スペインやイタリアなど、カトリック圏での猛威の一大要因になっている可能性がある。