伝統儀式は疫学と相容れない

 この儀式、元を尋ねれば、紀元50~62年頃までに記されたと思われる新約聖書「ヤコブの手紙」の、以下の記述に拠っています。引用してみましょう。

ヤコブの手紙 5章(新共同訳聖書)

(14節)あなたがたの中で病気の人は、教会の長老を招いて、主の名によってオリーブ油を塗り、祈ってもらいなさい。

(15節)信仰に基づく祈りは、病人を救い、主がその人を起き上がらせてくださいます。その人が罪を犯したのであれば、主が赦してくださいます。

 日本で言えば弥生時代にパレスチナで語られたと思われる内容です。

 日本の古墳時代前期に当たる4世紀から一貫して続いている「ローマ・カトリック」の儀式であって、その形式は厳密に守らなければなりません。

 司祭がマスクをしたり、素手で塗ることになっている油を手術用手袋越しに塗ったりするというようなことは、絶対に許されないわけです。

 カトリックの教義には7つの「秘跡」サクラメント、聖なる奇跡の儀式があります。それらは

●洗礼・・・あるいは誕生
●堅信・・・あるいは成人

●聖体拝領・・・ミサに参列して聖別されたパンと葡萄酒を分かち合う「コミュニティー」の一員となること

●罪の許し・・・罪を聖職者に告白し懺悔することで罪障が消滅するとする教義

●結婚・・・これはいうまでもなく教会が認めます
●叙階・・・社会的な承認から福者や聖者に上げるものまで様々

●終油・・・これは実質的に「葬儀」と言い換えてもよいでしょう

 つまり「ゆりかごから墓場まで」人生のすべてのターニング・ポイントに、かつてはキリスト教会が、長年の伝統、形式を守り、権威をもってお墨つきを出すわけです。