(写真はイメージです)

(新村 直子:医療健康ジャーナリスト)

 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策で、テレワークが大手企業を中心に広がりつつある。テレワークとなれば、普段当たり前に行っている、自宅から最寄り駅までの往復の徒歩、駅の階段での昇り降り、社内外で歩き回る時間などが一切なくなる。1日ぐらいなら、いい気分転換かもしれないが、これが続くとなると気になってくるのが「運動不足」だ。

 かといって、この時期、人が多く集まるジムに行くはためらってしまう・・・。そんなビジネスパーソンにおすすめなのが、初心者でも家で気軽に取り組める「きくち体操」だ。

 手足の指を動かしたり、足首や腕を回したり、膝裏を伸ばしたりと、一見簡単に見える体操なのに、続けて行うことで、腰痛・脊柱管狭窄症・股関節痛、内臓脂肪型肥満、不眠やうつなどの自律神経系のトラブルなど、心身の様々な不調が改善していくという。

 体操を創始したのは、現在も現役で指導を続け、開脚やY字も楽々こなす奇跡の85歳、菊池和子さん。その効果に、脳神経外科、整形外科など様々な分野の医師も注目する「きくち体操」のエッセンスを紹介していこう。

菊池 和子(きくち・かずこ)氏
1934年生まれ。日本女子体育短期大学卒業。体育教師を経て「きくち体操」を創始。川崎本部のほか、東京、神奈川などの教室、カルチャースクールなどで指導を行う
(写真:鍋島 徳恭)

普段動かしていないところを動かし、伸ばす

 元・体育の教師で、50年以上前に「きくち体操」を創始、今や全国に83クラス、受講生4000人を抱える菊池和子さん。テレビ出演や講演会などもこなすシニア女性のカリスマと言われ、教室では女性の生徒さんが圧倒的に多いものの、実は男性だけで行っている男子クラスもある。最初はどんな体操だかよく知らないままに、パートナーや家族に勧められて始める男性も多いと言うが、続けるうちに体が確かに変わり、「60代でも、ゴルフの飛距離が30ヤード伸びた」「姿勢が良くなり、若々しく見られるようになった」「脊柱管狭窄症が治った」「糖尿病が改善し、薬がいらなくなった」という嬉しい報告が続々、届くという。

 とはいえ、「きくち体操」とは一体どんな体操なのか。