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(新村 直子:医療健康ジャーナリスト)

 まず、以下のチェックリストをご覧いただきたい。あなたが当てはまる項目はいくつありますか?

□倦怠感、疲労感が続いている
□集中力が続かない
□頭痛がある
□動悸を感じるようになった
□不眠気味だ
□アレルギー疾患がある
□24時間換気のため、あまり窓を開けない
□新しい家具を買った
□壁紙などのリフォームをした
□最近引っ越しをした

 チェックリストのなかで、下の4項目のうちのどれか、上の6項目のうち3項目以上のチェックに心当たりがある場合、最近の倦怠感、頭痛などの不調の正体は、「室内空気汚染」の影響かもしれない。

想像以上に大きい空気の健康への影響

 室内空気汚染とはその名の通り、部屋の空気の汚れのこと。「たかだが、空気が汚れているぐらいでおおげさな」と思うことなかれ。実は、意外と知られていないが、重量比で考えると、人間が体に取り入れているもので一番多いのが空気だ。

「主食である食べ物や飲み物は重量比にすると、全体の15%程度にすぎません。人が体内に取り入れる85%は、呼吸を介して取り込む空気。そのうちの7割ぐらいが室内の空気ということになります。つまり、室内の空気が健康に及ぼす影響は、みなさんが考える以上に大きいのです」。環境化学物質の健康影響について研究を続けている東海大学医学部医学部長の坂部貢教授はこう指摘する。