利他的な理念を掲げて多くの国々の健全な発展を支え、世界中の多くの人々から尊敬を集めた。日本はその恩恵を最も大きく受けた国の一つである。
もし世界中の国々が米国トランプ政権にならって利己主義的な自国利益優先政策を導入すれば、世界は再び経済のブロック化に向かい、経済戦争が武力衝突に発展し、第3次世界大戦に突入する可能性が高まる。
それが現実のものとなれば世界中が苦しみ、戦勝国も敗戦国も関係なく、多くの命が失われ、世界経済全体が長期の停滞に陥る。それを防ぐには「理性」が必要である。
4.日本の使命
日本は19世紀後半の明治維新以後、脱亜入欧を大方針に掲げ、西洋思想を学び、西洋型政治経済社会制度の導入に取り組んだ。
しかし、その後、欧米列強との帝国主義競争の中で「理性」を見失い、中国を侵略し、米国と戦争し、敗戦を経験した。
そして戦後、改めて西洋型政治経済社会制度を本格的に導入し、西洋思想の実践を徹底した。
一方、日本は江戸時代以降、国民全体レベルで中国古典に基礎を置く高度な道徳教育を普及させ、特にその実践を重視してきた。
すでに学校では中国古典・東洋思想に基づく道徳教育を実施しなくなって久しい。
しかし、今も多くの日本人の心の中にその根本理念が生きており、日常生活の下で自然に実践されている。
他者への思いやり(仁)、丁寧なあいさつや心のこもったマナー(礼)、人間関係において信義を重視する考え方(信)など、現代社会においても中国古典の本国である中国以上に国民全体の道徳実践レベルが高いことは誰もが認める日本の特徴である。