ここに来て、なんだか中国の様子がおかしい。これまでも中国の行動はかなり強引であり国際的な常識を無視するものが多かったが、それが加速している。変なニュースを耳にするようになった。
日本でも名前が知れた女優のファン・ビンビンさんが3カ月も消息不明になった。米国に亡命した、犯罪に巻き込まれた、などといった噂が流れたが、蓋をあけて見れば税務当局が脱税容疑で彼女を拘束していた。
それが話題になっている最中に、今度は中国出身の孟宏偉ICPO(国際刑事警察機構)総裁が行方不明になった。その後、北京空港で当局に身柄を拘束されたことが判明した。
ある人が突然当局に拘束され、その事実がなかなか公表されない。これは中国では頻繁に起こることである。ただ、これまでのところ、中国政府が現代の「神隠し」のようなことを行っている状況を、世界の人々が知ることはなかった。
しかし、ファン・ビンビンさんは世界に名の知れた女優であり、また孟宏偉氏が国際機関のトップであったことから、中国当局が行う超法規的かつ野蛮な行為が、広く世界に知れ渡ってしまった。
こんなことをして、なんの得になるのだろうか。孟宏偉氏はフランスを発って北京で拘束されたこともあり、フランスで大きな問題になっている。その結果、日本や東アジアの国々だけでなく中国から離れた国に住む人々も、中国のやり方に疑念を抱くようになった。