ウィーン・フィル新年コンサート、最年少グスターボ・ドゥダメル氏が指揮

恒例のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートで、最年少で初めて指揮をしたベネズエラ出身のグスターボ・ドゥダメル氏(左、2017年1月1日撮影)〔AFPBB News

 あなたの周囲に、頻繁に人を指差す人はいますか?

 もし、そういう人がいたら、例えば上司や同僚、部下などに見かけるようだったら、注意した方がいいかもしれない、というお話です。

 世の中には「人を指差すのはやめた方がいいですよ」と言いながら指で差す動作を繰り返す人がいます。国会の内外でしばしば指摘されますが、一向に直る気配がありません。

人を指差すのは無礼、失礼な行為などと言われます。しかし、この種の曖昧な指摘には「そんなのは主観の問題、マナーは文化によって違う」と開き直られてしまえばどうしようもありません。

 そもそも日本語で、2番目の指を「人差し指」と言うではないですか。これは英語でも同様で「ポインター、Pointer」とか「インデックス・フィンガー、Index finger」と呼ばれます。

 インデックスというのは目印、指数などという訳語もあるくらいで、この指にとって「指差し」という動作はなかなか本質的であるのが知られます。

 フランス語では人差し指そのものが「l’index」、これはラテン語が直輸入されたもので、今日私たちがインデックスをつけていく、なんていうのは、古代ローマ人たちが人差し指でチェックしていた習慣そのままなんですね。

 現代でも電車の車掌さんも「指さしかくに~ん」なんてやっている。またドイツ語では「Zeigefinger、人に何かを指し示す指」と、この指を名づけています。単に自分が指差すだけでなく、これこれ、と第三者、人に対して教えるということですね。

 さらに中国語では人差し指を「食指」と名づけている。現代人も「食指が動く」なんて言いますよね。何かに興味を持ち、特に「食べたい、欲しい」と思ったとき、この指が動いちゃう・・・。

 中国四千年の伝統でも、どうやらこの指の動きは本能と直結し続けてきたらしい。こうやって考えてみると、人差し指ひとつでも源流探訪はなかなか興味深いものです。

 洋の東西を問わず、これほど普遍的であるというのは、何か人間にとって本質的な背景があるからと考えるのが自然と言うより、自然科学を学ぶと、そのような問いかけが有効であることを知ることになります。