前回、前々回と続けて、俳句の話題とIoTやAIの可能性/課題について「フレーム問題」という共通のプラットホームで考えています。
極めてシンプルに考えてみましょう。
「火災報知機」は火災に関連するリスクを検知するシステムと思います。実際には煙の報知器であったりすることも多く、かつて私は換気扇を回さずにサンマなどを焼いて、「火事です! 火事です!」とアラームを作動させてしまったことがあります。
あまりに当たり前のことを言うようですが、火災報知機は地震の予知には適さないし、津波にもカミナリにも反応しない。
津波災害の結果、ダストが噴煙を上げたり、カミナリの2次災害で火災が発生するなどあれば、関連する「ケムリ」に特化してセンサーが作動し、アラームが発信させる可能性はあるでしょう。
しかし「不測の事態」あるいは「想定外の現象」に対して、こうしたセンサーに万能の働きを期待することはできません。
これをもう少し具体的に考えてみましょう。
「見守りシステム」と有効なセンシング
IoTという言葉が使われ始めた当初「職場にいながらにして、自宅でお留守番しているワンちゃん猫ちゃんの様子が分かる、的なトピックスが喧伝された時期がありました。端的に言えば「ペットの見守りシステム」です。
以下では犬や猫などペットより、もう少しシビアな状況である病人や高齢者の「見守り」について考えてみましょう。
私事で恐縮ながら、親が他界してすでに丸13年ほど経ちました。21世紀初頭段階で、要介護2の老人をケアしながら20キロほど離れた大学で仕事というのは、それなりに面倒が多かった記憶があります。
例えば、ベッドからの転落といったリスクがあり、布団に変えたのですが、布団の場合今度は寝起きの負担がありました。