「女性」というだけで薄れる右派的政策の勇ましさ

 高市氏は、昨年の参院選で自民党大敗の原因となった派閥裏金問題に関して自民党による実態解明や有権者への説明責任を十分果たさないまま、いわゆる裏金議員35人に対して公認を与えた。

 さらに、総選挙における歴史的な圧勝を経て第2次高市内閣が発足した直後、高市首相が、自民党の当選議員315人に約3万円分のカタログギフトを贈っていたことが発覚。国会で追及されると、「昭和の中小企業のオヤジ、社長みたいなところが、まだ私にはある」と開き直った。さすがに開いた口がふさがらなかった。

 200人調査で興味深いのは、非核三原則を堅持すべきとの意見が34%、政治とカネの問題に注文をつけた人が30%に上ったことだ。それでも高市氏を支持する人たち。女性首相への期待は、それほどまでに男性優位社会を変えなければ、という問題認識の表れなのだろうか。

 それとも、右派的な政策の勇ましさが、推進役が女性首相になることによって受け入れやすくなっている、または見えにくくなっている、ということなのだろうか。

 それともそもそも政治家の資質や政策は二の次三の次なのだろうか。

 この結果を総選挙の結果と照らし、ジェンダーの視点でどうとらえればいいか、しばらく考えあぐねている。

 話は変わるが、ここ広島発のZINE(ジン、自費出版の出版物)が話題になっている。『この社会で生きるために隠れているあなたに――地方でこっそりフェミニストやってます。』というタイトルで、発行したのは「ジェンダーを考えるひろしま県民有志」。昨年11月に発行した初版1000部がなくなり、2月に1000部増刷した。

 今回の執筆には参加できなかったものの、わたしも「県民有志」のメンバーの一人なのでいささか手前味噌だが、ぜひ読んでほしい。読めば、地方発、一般的な書籍の流通に乗らないこのZINEがなぜ売れているのか、痛いほどよくわかる。