ホルムズ海峡を巡る緊張が高まる

 IEAは12日「今年の世界の原油需要は前年に比べて日量85万バレル増加する」との見通しを示し、前月の予測(同93万バレル増)を下方修正した。

 IEAはさらに「昨年の世界の原油備蓄の増加分は4億7700万バレルに達し、OECD諸国の備蓄は4年ぶりに5年平均を上回った」との分析結果を明らかにした。IEAは「今年の世界の供給量は需要を日量373万バレル上回る」とみており、世界の原油備蓄がさらに増加するのは確実だ。

 需給面の下押し圧力に抗っているのはイランの地政学リスクだ。

 米国とイランが6日に核開発問題に関する協議を行い、協議継続で合意したことを受けて、週明けの原油価格は1バレル=63ドル近辺に下落した。

 一方、ホルムズ海峡を巡る緊張が高まりつつある。 

 米国政府は9日、ホルムズ海峡を通過する米国船籍商船に対して、イラン領海を可能な限り避けるよう勧告した。イランの部隊が先週、米国船籍商船をイランの領海内に強制的に誘導しようとした事案が発生したことを踏まえての措置だ。

 米国政府はさらに踏み込んだ手段も準備しているようだ。

 ウォール・ストリート・ジャーナルは10日「米当局はイランに圧力をかけるため、イラン産原油を積んだタンカーを拿捕することを検討している」と報じた。

 ホルムズ海峡は日量約2000万バレル(全供給の約2割)の原油が通過するチョークポイント(水上の要衝)だ。「イランによるホルムズ海峡封鎖」が意識され、原油価格は10日、1バレル=65ドル近辺まで上昇した。

 だが、その可能性はほとんどないと思う。