イランを巡る地政学リスクが高まっている(写真:ロイター/アフロ)
(藤 和彦:経済産業研究所コンサルティング・フェロー)
米WTI原油先物価格(原油価格)は今週に入り、1バレル=62ドルから66ドルの間で推移している。「米国とイランの緊張が続く」との観測から、価格のレンジは先週に比べ1ドルほど上昇した。
まず需給に関する動きをみてみたい。
安定した供給が続く
OPECは2月11日「OPECプラス(OPECとロシアなどの大産油国が構成メンバー)の1月の原油生産量は前月比43.9万バレル減の日量4245万バレルだった」と発表した。テンギス油田が操業停止に追い込まれたカザフスタンの生産量が前月に比べて日量24.9万バレル減少したことが主な要因だ。ただ、テンギス油田は8日時点で日量55万バレル分の生産が回復している。
ベネズエラの原油生産は順調に増加する見通しだ。
報道によると、国営石油企業PDVSAの原油生産量は日量100万バレル近くまで増加しているようだ。ベネズエラの原油生産量は昨年11月下旬に日量116万バレルから1月初旬には同88万バレルまで低下していた。
ライト米エネルギー長官は12日「米国が管理するベネズエラ産原油の販売はこれまでに10億ドルを超え、今後数カ月で50億ドルに達する」との見解を示した。
ベネズエラの原油輸出は米国に厳格に管理されている。
ヘグセス米国防長官は9日「米軍は、ベネズエラに出入りする制裁対象船舶に対する封鎖措置に違反した原油タンカーを(カリブ海から遠く離れた)インド洋で臨検した」と発表した。PDVSAによれば、同タンカーは中国向けの重質油(約70万バレル)を積み込み、1月上旬にベネズエラ海域を出港していたという。
北米地域では、低油価にもかかわらず、米国の原油生産は相変わらず高水準だ。直近の生産量は日量1371万バレルと記録的寒波で減産する以前の水準に戻った。
需要面では、国際エネルギー機関(IEA)の月報が市場で「売り」を誘った。