選挙に揺れる自動車税の行方

 そして、⑥自動車関連税制抜本改革。令和8年度税制改正大綱の中で、所得時の環境性能割は、2026年3月末の段階で、恒久的に廃止するということが明記された。1月23日の衆議院解散によって、環境性能割の年度内廃止が難しいという見方もあるが、たとえ年度を超えたとしても、恒久的な廃止はそのうち実施されるはずだ。

 また保有時の自動車税(軽自動車税)と自動車重量税を融合して簡素化することを目指す「新税」については、今年末までに国との協議をまとめるという。

 その中で、自動車重量税の暫定税率については、税体系全体の中での扱いの具体化や、電気自動車・燃料電池車・軽自動車という異なる領域を公平に扱う仕組みの具体化を議論する。

産業全体で物流の合理化はできるのか

 最後の⑦サプライチェーン全体での競争力向上については、前述のように①重要資源・部品の安全保障と連携するテーマだ。

 エンジンや半導体など、仕様や情報基盤の標準化を検討することに加えて、物流については、協同物流の仕組みについてもさらなる議論が必要との見解を示している。

 以上の「新7つの課題」を踏まえた上で、筆者は次のように質問した。

記者の質問に答える佐藤恒治 自工会会長(写真:自工会)

「バリューチェーンの変革ついて、自工会としてどう考えているのか。バリューチェーンの定義はなく、また販売分野との連携が必要となるが、現時点での議論はどうなっているのか」

 これに対して、佐藤会長は「自工会としての議論はまだない」という。その理由として、モビリティ関連サービス事業がまだ確立されていないことなどを挙げた。同時に「(バリューチェーンは)まさに競争領域」という見解で、自動車メーカーがバリューチェーンと協調することの難しさを指摘した。