ソニー平井一夫・元社長写真提供:共同通信社
自社の課題に正面から向き合い、事業を再建・成長へと導いた一流の経営者たちは、何を羅針盤とし、どのように組織をまとめ上げ、目標を達成したのか。経済ニュース番組の人気コーナー「モーサテ塾」を書籍化した『鉄人たちの仕事の哲学』(小林洋達著/かんき出版)から一部を抜粋。日本を代表する経営者の思考法や信念に迫る。
低迷するソニーの再建を託され、見事に応えた元社長の平井一夫氏。プレイステーション3(PS3)事業のある失敗から教訓を得た「戦略より大事なこと」とは?
モチベーショナル・リーダーシップの実践
――正しい戦略を立てる筋道
『鉄人たちの仕事の哲学』(かんき出版)
■ 戦略立案は4番目
モチベーショナル・リーダーシップ5カ条の4つ目は、「戦略立案」です。これが4番目にきていることがポイントです。
1時限目で、現在は「超競争の環境」だと言いましたが、新しい競合相手が参入してきたり、ビジネスをひっくり返すような技術革新が起きたり、本当にいろいろなことがあります。
そうすると動揺して「どんな対応を選択すべきか? どんな新商品を出せるのか?」などと、いろいろな戦略を考えますが、その戦略立案がなぜ4番目かというと、ここまでお話しした通り、その前に準備すべきことがあるからです。
まずEQが高い、正しいリーダーの下で意思疎通ができること。いろんな「異見」を出せるようなマネジメントチームがあり、一体となっていること。
会社と組織のミッション・ビジョン・バリューが定義されていて、メンバーの間で、「これが大事だね。こっちの方向に進みたいよね」という認識が共有されていること。これらの準備ができていて初めて、戦略を立案できるのです。
問題が起きたから「すぐに対処しろ」と言っても、リスペクトされているリーダーがいなくて、フラットに議論できるチームがなくて、ミッション・ビジョン・バリューが定義されていなかったら、どこに向かえばいいのか判断ができません。どうやって戦略を立てるのですか? という話になります。






