トランプ大統領の「とても小さいクルマ」の真意は?
次にアメリカだが、直近での大きなニュースは燃費規制の緩和がある。
トランプ大統領は、2031年までに企業間燃費規制(CAFE)で、1ガロンあたり50.4マイル(リッターあたり21.4km)から34.5マイル(14.6km)への大幅な緩和を12月3日に提案した。
対して、EVに対する税制優遇制度は9月末で終了し、EVの需要は今後、伸び悩む可能性がある。
そうした中で、トランプ大統領の「とても小さいクルマ」という表現が出てきたわけだ。
トランプ大統領は、軽自動車そのものを指したと考えるより、欧州のM1Eの存在を念頭に置きながら、日本の軽自動車の話に触れたとも解釈できる。
アメリカでの小型EVといえば、筆者は2010年代初頭にニューヨークのマンハッタンで三菱自動車工業の「i-MiEV」に試乗したことがある。三菱がニューヨークモーターショーの開催時に、メディア向けに行った企画だった。
三菱「i-MiEV」北米仕様(写真:筆者撮影)
北米版のi-MiEVは、日本版のものよりもボディサイズを少し大きくして、走行安定性や当時の衝突安全規制に対応して量産された。そのため、仮に欧州M1Eのアメリカ版を量産する場合、現行の衝突安全規制に沿った改良が必要になるだろうが、先のトランプ大統領の発言が規制緩和につながることになるのかもしれない。