BYDの軽EVも世界市場を狙う?

 中国市場で特に気になるのが、BYDの動きだ。ジャパンモビリティショー2025でBYDが発表した軽EV「ラッコ」が注目されているが、これは、日本の軽自動車の市場だけを対象とした商品規格だとは言い切れない。

日本の軽自動車規格に対応したBYD「ラッコ」。2026年の夏頃に発売予定(写真:筆者撮影)

 M1Eを想定したEVプラットフォームで、日本の軽自動車規格も踏まえて、多様な小型EVモデルに対応する、という可能性もあるだろう。

 中国の小型EVでは、メルセデス・ベンツと中国の吉利(ジーリー)の合弁事業である「スマート」ブランドで、すでに動き出している。欧州の自動車メディアは、M1Eを想定したようなスマートブランドの小型EVのテスト車両が公道で走行する様子を報じている。

M1Eが変える世界の小型車勢力図

 こうしてグローバルでの動きを俯瞰してみると、欧州M1Eは、日本の小型車が属するBセグメントと軽自動車の中間で、少し大きめなAセグメントEVだといえる。

 見方を変えると、今後、日本の軽自動車のEV化が進んでいくと、結果的にM1Eの仲間となり、軽自動車の車両規定を改定する必要が出てくるかもしれない。

 まずは、欧州でのM1E市場の動向を注視したい。