松坂大輔、2大会連続でMVPに
2009年の第2回WBCでは、アメリカ代表にはMLB21球団から選手が参加した。ヤンキースのデレク・ジーターは2大会連続で出場した。
しかし前年本塁打王のフィリーズのライアン・ハワード、タイガースのミゲル・カブレラ、最多勝のダイヤモンドアックスのブランドン・ウェブ、インディアンスのクリフ・リーらは早々に「出場しない」と表明。アメリカは今回も第2ラウンドで敗退した。
日本は2006年に続き連覇を果たし、このときはレッドソックスの投手となっていた松坂大輔が2大会連続のMVPに輝いた。
2009年のWBC第2回大会でキューバ戦に先発し6回無失点と好投した松坂大輔。第1回大会に引き続き、侍ジャパンはWBCで連覇を達成、松坂も2大会連続でMVPに輝いた=ペトコ・パーク(写真:共同通信社)
この時期までのWBCはアメリカでは注目度が低く「WBCはエキシビションゲーム(オープン戦)」と考えるファンも多かった。
また、あいかわらず球団オーナーは参加には消極的だった。MLBにはドミニカ共和国、ベネズエラなどからも多くの選手が参加していたが、こうした国の選手の参加も渋るオーナーが多く、MLB選手が主力になる国の陣容は見劣りし、NPB選手が主体の日本が連覇を果たしたという背景がある。
2013年の第3回大会は、ドミニカ共和国が初優勝した。しかも全勝だった。このときも、MLB球団のオーナーは選手の参加には消極的で、ドミニカ共和国代表30人のうち7人はマイナーリーガーだった。
2013年のWBC第3回大会の決勝でプエルトリコを下して初優勝を決め、マウンドに駆け寄るドミニカ共和国ナイン=AT&Tパーク(写真:共同通信社)
しかしドミニカ共和国は、冬季に中米諸国による「ウィンターリーグ」「カリビアンシリーズ」という大会を行っており、シーズンオフになっても野球をしている選手が多かった。それだけに調整が容易だった。