「つながらない権利」のガイドライン策定や法制化の動きが出ているが…(写真はイメージ、Chay_Tee/Shutterstock.com)
(川上 敬太郎:ワークスタイル研究家)
「7割が勤務時間外に連絡」時代のジレンマ
「休日なのに職場から呼び出された」「家にいたら突然携帯が鳴って上司に説教された」──そんな経験をしたことがある人も多いだろう。勤務時間外は職場と切り離したいと考える人たちからは“つながらない権利”を求める声が聞こえてきます。
連合の『“つながらない権利”に関する調査2023』によれば、「勤務時間外に部下・同僚・上司から業務上の連絡がくることがある」と答えた人は7割超に及びます。勤務時間外に、職場からの連絡を受けた経験がない人の方がむしろ少ないようです。
フランスをはじめ、海外ではつながらない権利を法制化している例も見られます。ただ、完全に職場との連絡を遮断してしまって良いかは難しいところです。勤務時間外でも連絡を受けられるようにしておいた方が良いケースもあるかもしれません。
連合の調査でも、つながらない権利の法制化に対して「緊急性の高いトラブルへの対応が遅れてしまうこと」を心配する声が6割以上でした。
勤務時間外なのにつながるのは困る。しかし、完全につながらないのも困る。こうしたジレンマも見られる中、職場や働き手はつながらない権利の必要性についてどう受け止め、どう対処していけばよいのでしょうか。