2025年の「新語・流行語大賞」年間大賞に輝いた高市首相の発言「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」(写真:アフロ)
(川上 敬太郎:ワークスタイル研究家)
一般企業では志半ばの女性活躍推進、女性首相の誕生は追い風か逆風か
2025年10月の発足以来、高い支持率を保つ高市政権。注目度の高さを裏付けるように、2025年の新語・流行語年間大賞には、高市早苗首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」と「女性首相」が選ばれました。
さらには、高市首相が身に着けているバッグやボールペンなどを購入して使ったりする“サナ活”現象が話題になるなど、国政のトップが女性となったことに新しい時代の幕開けを感じた人も少なくないかもしれません。
しかし、一般企業に目を向けると、女性活躍推進は志半ばです。管理職に占める女性の比率はいまだ低い状況が続いています。また、各家庭を見渡すと、大きな負担を抱えながら仕事と家庭の両立に悩んでいるのは大半が女性です。
これまでの政権においても、女性活躍推進は重要なテーマとして掲げられてきました。2026年4月からは改正女性活躍推進法によって、男女間賃金差異や女性管理職比率などの公表義務を負う対象企業が拡大されます。では、高市政権によって女性の活躍推進は加速し、働きやすくなっていくのでしょうか。
「働いて×5」と共に注目を集めたのが、「ワークライフバランスという言葉を捨てます」というフレーズです。さらに、予算委員会前の午前3時に首相公邸に入り勉強会を開いていたこと、質疑の中で睡眠時間が2~4時間であると明かしたことなど、そのモーレツな働きぶりも話題になりました。
また、先の参議院選挙で自民党が「働きたい改革」を掲げていたことや労働時間規制の緩和を指示したとされる報道とも結びついて、「長時間労働を推奨しているのではないか」といった憶測も広がりました。
高市首相は折に触れ「働き過ぎを奨励する意図はない」と明言していますが、モーレツに働き続ける姿そのものが、活躍する人の象徴のような形で世の中に伝わってしまう懸念もあります。
その場合、女性活躍推進だけでなく働き方改革まで急減速し、過去へと引き戻すようなシナリオをたどることにもなりかねません。