文化と医療――異なる現場に共通する、愛子さまの「人へのまなざし」
伝統文化を通して子どもたちの情操教育に携わる久野さんと、救命医療の向上に励む小林さん。両者の現場は大きく違うが、愛子さまの受け止め方には共通点がある。
現地で活動する海外協力隊員の言葉から、支援がどのように実を結んでいるのか、その“手ごたえ”を丁寧に尋ねようとする姿勢だ。伝統文化が子どもたちにもたらす効果への質問、そして医療体制の脆弱さを承知したうえでの理解と共感――そのまなざしは一貫していた。
愛子さまは、「人々や社会の役に立ちたい」との思いから、日本赤十字社に就職された。その理念は、海外協力隊員が抱く使命感と通底するものがある。今回、初めての海外公式訪問で出会った2人の隊員は、異文化で汗を流す存在として、愛子さまにとって“良き指標”にもなったはずだ。
久野さんは「お会いした時、感動して涙をこらえるのに必死でした。ますますファンになりました」と語り、小林さんは「迷ったときには、この日の愛子さまのお言葉を思い返すと思います」と微笑む。ラオスの地で積み重ねられる彼らの活動は、社会の信頼を獲得し、同時に日本の存在感を着実に支えている。
そして愛子さまの今回のご訪問は、ラオス国内での人気を示しただけではない。愛子さまの柔らかな笑顔と人を包み込む姿勢が、海外の人々をも惹きつける普遍的な魅力を備えていることを、日本中が再確認する出来事でもあったと言えるだろう。







