沿道が沸いた愛子さまの伝統衣装姿、“追っかけ”まで現れる
久野さんは懇談の場で、トップバッターのグループとして愛子さまと対面した。
前日には久野さんの勤務地であるルアンパバーンを、愛子さまが訪問され、その時の市民の反応はとても印象的だったと振り返る。
この日、愛子さまは紫を基調としたパービアン(肩掛け布)とシン(巻きスカート)、ピンク色のスア(ブラウス)を着用されていた。ラオスの伝統衣装を着こなされたその姿は、沿道にいる女性たちの感性を直撃した。
ラオスの民俗衣装姿でビエンチャンの「タートルアン大塔」に到着された愛子さま(2025年11月18日、写真:代表撮影・共同通信社)
「『ガーム・ラーイ!』と歓声が上がっていました。日本のプリンセスがラオスの伝統衣装を着てくださったことが、本当に嬉しかったのだと思います」(久野さん)
さらに現地では、愛子さまの“追っかけ”まで現われるほどの盛り上がりだった。
「お姿をひと目見ようと、訪問先に足を運んだ知人が何人もいました。車から降りられた愛子さまに、『愛子さまー!』と声をかけたところ、わざわざこちらのほうを向いて手を振ってくださったり、車の窓を下げてお顔が見えるようにしてくれたりしたそうです」(久野さん)
そんな熱狂を知っていただけに、久野さんは、間近で愛子さまと対面するのが信じられない気持ちだったという。
愛子さまに「活動のほうはいかがですか?」と問われると、久野さんは自身が担当している取り組みを説明した。すると愛子さまは、ラオスの伝統的な踊りが、子どもたちにとってどれほど身近で大切な存在なのかに話を広げられたという。
「愛子さまは『伝統舞踊はラオスの人たちが慣れ親しんでいるからこそ、子どもたちも身近なものとして感じるのでしょうね』とおっしゃっていました。現地の文化の内側にある感覚まで想像されていることが伝わってきました」(久野さん)
愛子さまと直接言葉を交わした久野純平さん(写真右)
さらに久野さんが、10月に海外協力隊がラオスの首相を表敬した場で、隊員の代表としてラオス語でスピーチしたことを伝えると、愛子さまは次のように話された。
「トンルン・シースリット国家主席とソーンサイ・シーパンドン首相とお会いした時に、ラオスにおける海外協力隊の貢献について話が出て、皆様のご活躍について実感いたしました」
国家レベルでの評価をあえて本人に伝える――その心遣いに、久野さんは「胸が熱くなった」と振り返る。
ラオスのパーニー・ヤートートゥ国家副主席(右)主催の晩さん会に臨まれる愛子さま(2025年11月18日、ビエンチャン)/写真:代表撮影・共同通信社