「清美ちゃんにも自民党に来い来い」

辻元:トランプ大統領、プーチン大統領、ネタニヤフ首相、金正恩総書記、習近平主席……、皆マッチョな男たちです。「男は強くなければならない」「男は泣くな」「常にもっと上を目指せ」という教育を受けてきたように見えます。

 その先にあるのは、権力を掴み、力でねじ伏せる政治です。女性の政治家が増えるということは、紛争や戦争などが起こりにくい社会を作っていく一助にもなるのではないかという仮説を今持ち始めています。

 とはいえ、ただ男性を目の敵にしているのではありません。私たちの考えを理解してくれる男性だって少なくないと思います。

 この前、東京都議会議員選挙で東京中を回っていたら、亀戸だったと思いますが、駅前でヘビメタのような恰好した若い男性が立っていました。私が街頭の人たちと握手していたら、その男性が近づいてきて「サインしていただけますか?」と言って、この本を取り出した。ちゃんとサインペンまで添えてね。

 うれしかったなぁ。そういうの、うれしいよね! 鎖をじゃらじゃらさせたヘビメタ風の若い男の子。写真を撮っとけば良かったと思って。本当にうれしかった。

──野田聖子さんは本書の中で、自民党の方がイニシアティブを取れて法律を作れるから「清美ちゃんにも自民党に来い来い」と言っていると書かれています。辻元さんにとって、自民党とはどのような存在ですか?

辻元:自民党は、経済でいえば、経営者側の思考です。私たち立憲民主党は労働者と生活者の立場に立っています。しかし、衆議院で野党が過半数を取ったので、自民党のほうが法律を通せるとも言えなくなりました。野党の賛成がないと、今の自民・公明は法律も予算も通すことができない。

 この参議院選挙で野党が過半数になったら政権が変わりますよ。ずっと同じ政党が政権を取っているから、裏金問題しかり、やりたい放題でしょ。こちらの政権が駄目なら、こちらに変えるという変化が必要です。

 韓国などは逮捕劇にまで発展して凄まじいけれど、政権を失ったら過去の悪事まで暴かれる。政権交代があるから緊張感がある。悪いことでけへんやないかと。だから、私と野田聖子さんが両側から政権を取り合うほうがいいと思います。

──立憲民主党のほうが自民党よりもはるかにクリーンだと思います。一方で、経済政策はもう少し力強いものがほしいとも感じます。