ローソン代表取締役社長の竹増貞信氏(撮影:宮崎訓幸)
大手コンビニチェーン3社の一角を占めるローソン。そのかじ取り役を務めるのが、三菱商事から2014年にローソンへ転じた竹増貞信社長だ。2016年に社長に就任してから約10年。2024年にはKDDIが約5000億円規模のTOB(株式公開買い付け)でローソン株を取得し、三菱商事と折半出資による共同経営体制がスタートした。オーナーと従業員、顧客、株主、そして地域社会。多様なステークホルダーの期待が交錯する中で、竹増氏はローソンの変革をどうリードしてきたのか。そしてKDDIとのタッグで、コンビニを次のステージへどう押し上げようとしているのか。じっくりと話を聞いた。
コロナ禍でも掲げ続けた「加盟店の利益を守る」という約束
──社長に就任されて、かれこれ10年近くが経ちました。この10年をどう振り返りますか。
竹増貞信氏(以下敬称略) 2014年から16年ごろまでは、大手コンビニ各社が「出店競争」のギアを最大に入れていた時期でした。ローソンも年間1000店近いペースでの出店を目指し、いい立地があれば積極的に出店する──そんなチャレンジを続けていたのです。
ところがその後、18年から19年にかけて全国的な人手不足が顕在化し、コンビニの24時間営業というビジネスモデル自体もクローズアップされました。他社では本部とフランチャイズ加盟店オーナーが正面から対立するような事態も起きました。
ローソンでは幸い、加盟店さんとの関係が大きくこじれる事態には至りませんでしたが、「このままではいけない」という危機感は強くありました。加盟店さんの収益をもっと底上げしなければならない。その思いから、2020年2月に経営目標を売上から変更し「加盟店利益基軸経営」へ転換すると宣言したのです。
具体的には、加盟店さんの大きなコストである「人件費」「水道光熱費」「商品の廃棄ロス費」の3つに焦点を当て、コストを最小化しつつ、売り上げをどう伸ばすかに本気で取り組み始めました。ところが、その宣言をした直後に新型コロナウイルス禍に見舞われてしまったわけです。
──未曽有のコロナ禍によって、再度経営方針の見直しを迫られたのでしょうか。






