選択的夫婦別姓制度の早期実現を求める声は少なくない(写真:共同通信社)
6月22日に開票結果が出た東京都議会議員選挙では48人の女性が当選した。これは過去最多の数で、定数127のうち37.8%を女性が占める。7月3日公示の参議院選挙でも女性の躍進が続くのか。『女性議員は「変な女」なのか』(小学館新書)を上梓した参議院議員で立憲民主党・代表代行の辻元清美氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト)
──この本を読んで、辻元さんが、野田聖子さんととても仲がいいことに驚きました。長らく与野党の関係ですが、お二人はなぜこれほど仲がいいのですか?
辻元清美氏(以下、辻元):私と野田聖子さんは年齢が同じで、2人ともおよそ30年間、政治の世界に身を置いてきました。女性が少ない政界で苦楽を共にしてきましたから、連帯感があるのです。
政治の世界は圧倒的に男性社会です。各政党の都道府県連も、多くの場合男性が仕切り、男同士で酒を酌み交わしながら候補者が決められてきました。
仕事のやり方も、妻が身の回りのことから子どもの世話まで全部やってくれる男性ばかりが政界に進出し、権力闘争に没頭する。そうした中で、女性が選ばれて、仕事をしていくのは困難が多い。
だからこそ、立憲民主党は女性の候補者を、特に自治体議員から増やしていく方針を取っています。2023年の統一地方選挙では、76人の新人女性議員が誕生しました。
参議院選挙が間もなく始まりますが、立憲民主党の選挙区では41%が女性の候補者を立てています。西村智奈美さんが幹事長を務め、「女性候補者5割」を掲げた3年前の参議院選挙では、公認する女性候補が半数を超えました。
現在は私がジェンダー平等推進本部長を引き継ぎ、統一自治体選挙、衆議院選挙、今回の参議院選挙で、女性の候補者を数多く擁立しています。ジェンダー平等が一番進んでいるのは立憲民主党だと思います。
──選択的夫婦別姓制度について本書の中で議論されています。野田聖子さんから「民主党政権時代になぜできなかったのか」と鋭いツッコミを入れられていますね。
辻元:選択的夫婦別姓は一刻も早く実現させたい政策の1つです。1996年に法制審議会で選択的夫婦別姓制度の導入を柱とする民法改正要綱の答申が出されました。私が衆議院選挙で初当選したのはちょうどその年。30年間、この法案と共に歩んできたのです。
民社国連立政権時代に、社民党の福島瑞穂さんが担当の大臣になられ、「すわ、いけるか!」と思いきや、連立を組んでいた国民新党の亀井静香さんや、民主党の中井洽さんなどから猛反対されました。
この時の亀井さんは、選択的夫婦別姓を進めるならば連立の解消も辞さないという構えでした。ところが、最近聞くところによると、亀井さんはお考えを変えられているらしい。今度、この本を持参してご本人に確認しに行かなくちゃと思っています(笑)。
──「シングルに関する議連を立ち上げようかと悩んでいる」と書かれています。
