「自民党型の政策が日本の経済成長を阻害してきた」
辻元:では、自民党に力強い経済政策があると思いますか。私はないと思います。アベノミクスは日本をめちゃくちゃにしました。円安に誘導して、輸出企業が儲かるようにして、税金の優遇措置を進めて、その恩恵にあずかるところから企業献金をがばがばもらって生き延びてきた。
賃金が上がったのかといえば、30年間も上がっていない。おかしいですよ。アメリカなんて倍になっている。

日本は企業の内部留保になっているのです。非正規が4割になりましたが、人への投資もしてこなかった。技術の伝承も含め、新しい力が弱くなっているということです。このような自民党型の政策が日本の経済成長を阻害してきたと思います。
私たちは「人」に分配していく。企業が内部留保を吐き出さないのなら、税金で徴収して働く人たちに還元します。
働く人たちが新しい技術を学んだり、子育てや老後など、生活と将来が安定したり、みんなの心配がある程度軽減されると、消費も活性化して経済が伸びる。トリクルダウンは失敗したのだから、今度はこちらにやらせてくださいということです。
辻元清美(つじもと・きよみ)
参議院議員
立憲民主党代表代行
1960年奈良県生まれ、大阪育ち。早稲田大学教育学部卒業。学生時代にNGOを創設、世界60カ国と民間外交を進める。1996年、衆議院選挙で初当選。立憲民主党副代表、衆議院予算委員会野党筆頭理事、国土交通委員、憲法審査会委員、平和安全法制特別委員などを務める。現在、憲法審査会野党筆頭幹事、経済産業委員、政治改革に関する特別委。立憲民主党・代表代行、ジェンダー平等推進本部長、広報本部長、立憲フォーラム幹事長など。
長野光(ながの・ひかる)
ビデオジャーナリスト
高校卒業後に渡米、米ラトガーズ大学卒業(専攻は美術)。芸術家のアシスタント、テレビ番組制作会社、日経BPニューヨーク支局記者、市場調査会社などを経て独立。JBpressの動画シリーズ「Straight Talk」リポーター。YouTubeチャンネル「著者が語る」を運営し、本の著者にインタビューしている。