ジョージア、ミシガンを制した方が上院制す

 一方、CPRの予測・分析は以下の通りだ。

一、すべての上院選候補の競争力を①連邦・州の政治構成、②各候補の長所・短所、③連邦・州の政治状況、④各候補・選挙担当者とのインタビューなどの要素によって分析した。

 その結果、共和、民主両党候補の当否を次のように予想した。

  共和党 民主党
現議席 53 45(+無所属2)
非改選 31 34(+無所属2)
改選 22 13
当確 19 9
優勢 1
有力 2 2
拮抗 2  

(当確には現職が引退し、後継として立候補する新人候補も含む)

cookpolitical.com/ratings/senate-race-ratings

ニ、下院では民主党が過半数を取る公算大だ。

 民主党内には上院でも過半数を奪還すると強気の予測が出ているようだが、我々が使っている上院を対象にしたモデルは経験則から言って、上院は下院よりも的中率が低い。

三、当確は、共和党が19州、民主党が9州。拮抗しているのは、ジョージア、ミシガンの2州、民主党候補が優勢なのはオハイオ州、有力な州はメイン、ノースカロライナの2州。

四、一方、共和党候補が有力なのはミネソタ、ニューハンプシャーの2州。

トランプを待ち構える「神奈川沖浪裏」大波

 主要メディアの選挙ウォッチャーR氏は、2つの選挙分析機関の予測・分析から見えてくる「現時点での2026年の選挙状況」をこう指摘する。

「共和党が過半数を維持するには20議席、民主党は15議席が必要だ。そう考えると、過半数を獲得するのに必要な州の数で言えば、少なくてすむ民主党は、きわめて有利な立場に立っている」

「それに2024年の選挙の際にはトランプ氏の勢いに乗って当選した共和党候補が多かったのに比べて、トランプ支持率が減っている現在、共和党候補は苦戦を強いられるのは必至だ」

「来年のことを言うと鬼が笑う」という。

 だが、トランプ氏就任100日にして中間選挙での共和党大敗の話が出ていること自体、「トランプ丸」は葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」に描かれている大波に翻弄される小舟のように見えてくる。