米メディアが公表した低支持率に激怒しているトランプ大統領(写真は4月18日、AP/アフロ)

ミシガン州マコム郡が選ばれた理由

 米国のドナルド・トランプ大統領が2期目就任から100日となる4月29日午後6時(中西部時間、日本時間30日午前)に中西部ミシガン州マコム郡のマコム短期大学で演説した。

 トランプ氏は「何百もの選挙公約を達成している」「高関税措置を巡っては、130以上の国が貿易協議のため接触してきた」と成果を強調する。

 同大統領は、強引な不法移民大量移送や同盟国を含む他国への高関税措置という「恫喝外交」で「米国第一主義」路線を突っ走ってきた。

 100日目の演説会場にミシガン州デトロイト近郊のマコム郡を選んだのは、大統領選で勝利した激戦州だったからだ。

 同郡は、トランプ氏は2024年には55.81%の得票率を得て勝利したシンボリックな選挙区だったからだ(2016年の大統領選でも53.58%を獲得していた)。

 同州にはフォード、GM(ゼネラル・モーターズ)などが本拠を置いており、マコム郡にはGMの工場が数か所ある。

Macomb County, Michigan - Wikipedia

トランプ不支持は54%、支持は39%

 ところが、トランプ氏の自画自賛とは裏腹に、世論調査の結果は散々である。

 トランプ大統領就任100日を前にした世論調査によると、米有権者の過半数がトランプ政権を「混沌としている」(Chaotic、66%)、「怖い(Scary、59%)」と受け止めていることが判明した。

New poll reveals 66% of voters view Trump as ‘scary,’ ‘chaotic’

 トランプ氏に批判的なニューヨーク・タイムズの世論調査では、トランプ支持42%、不支持54%。

 親トランプのFOXニュースの世論調査ですら、支持は44%、不支持は55%と11ポイントの差がついている。

realclearpolling.com/polls/approval/donald-trump/approval-rating

 さらに追い打ちをかけるように、同じく反トランプのワシントン・ポスト(4月27日付)は、支持39%、不支持55%という世論調査結果をはじき出した。

 同紙によれば、就任100日の歴代大統領の支持率としては、この数字は1945年以来(フランクリン・ルーズベルト第32代大統領)の最低記録だ。

Trump’s approval rating sinks in new Washington Post-ABC-Ipsos poll - The Washington Post

Trump has lowest 100-day approval rating in 80 years: POLL - ABC News

 もっとも、ギャラップ調査によればジョー・バイデン大統領(当時)が再選を諦める(2024年7月21日)直前の時点での支持率36%、不支持率58%に比べれば、いくらかましだ。

realclearpolling.com/polls/approval/donald-trump/approval-rating

Biden's Approval Rating Hit New Low Before Exit From Race