李在明の疑惑とは
焦点となったのは、ソウル郊外の城南市で市長だった当時に土地が不正に用途変更された疑惑をめぐる発言である。この発言は、前回の大統領選挙で共に民主党の候補者だった2021年になされたもので、22年9月に起訴された。李氏の発言が虚偽に当たるかどうかが争われた。
昨年11月の一審判決では懲役1年、執行猶予2年の有罪判決が言い渡されている。そして今年の3月26日の控訴審判決では逆転無罪が宣告され、検察側が直ちに上告していた。
この裁判が注目されるのは、李氏がここ数年にわたり次期大統領の有力候補とみなされているからに他ならない。もしも罰金100万ウォン以上の判決であれば被選挙権が剥奪される。
しかも、今は大統領選挙を1カ月後に控えているタイミングで、李氏のほかに有力な候補者がいない。そうしたなか、李氏は本当に無罪なのか、それともやはり有罪なのかについて、国民は関心を持たずにはいられず、悶々(もんもん)とした日々を過ごしていた。
そんななか発表されたのが、上告審の判決だ。控訴審判決からわずか1カ月足らずという、異例のスピードで審議された。
こうした経緯から、判決の結果が大統領選挙に少なからず影響を与えるとは当初から考えられてきた。だが、判決の内容は、事前の予想をはるかに上回るインパクトを持っていた。