
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)元大統領が、検察により「収賄」の疑いで在宅起訴された。文元大統領が、政治家であり実業家でもある李相稷(イ・サンジク)氏が実質所有する『タイ・イースタージェット』に対し、自身の婿を役員として採用するよう影響力を行使したうえ、婿が月給などの名目で受領した2億ウォン弱の金銭が、事実上文大統領への賄賂と見なせる――これが韓国検察の主張だ。
「まるで小説のよう」
もちろん、文元大統領側は検察の主張を全面的に否認し、起訴内容を「まるで小説のようだ」と痛烈に批判している。
さらに、強圧的な捜査を主張し、検察を刑事告訴すると警告。起訴の翌日には、金正淑(キム・ジョンスク)夫人とともに、検察の起訴をあざ笑うかのように明るく笑うツーショット写真を公開し、今後の裁判への自信を示すほど、余裕に満ちた様子を見せた。

文元大統領側が「小説だ」と嘲笑する検察の控訴状によれば、文元大統領が婿の就職に自身の政治的影響力を行使したとする根拠は次の通りである。
文元大統領の婿を役員として採用したタイ・イースタージェットの実質オーナー李相稷氏は、共に民主党所属の国会議員であり、当時同僚議員だった文元大統領と親交を深めた。その後、2017年5月の大統領選挙の際には、李氏は文在寅氏の選挙キャンプで職能本部長を務め、文氏の当選後の2018年には「中小ベンチャー企業振興公団」の理事長に任命された。
しかし、この李氏には株価操作によって罰金刑を受けた過去があり、また彼が代表を務める「イースター・ホールディングス」の財務状態も極めて悪かったため、毎年数兆ウォン規模の予算を執行する公団のトップとしては明らかに不適格だった。このため、李氏の任命には文元大統領の強い影響力が作用したと見られている。