2023年4月、慶尚南道梁山市河北面に書店「平山書房」をオープンさせた文在寅前大統領(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾事態で韓国社会全体が混乱と分裂に包まれている中、ひとり人生最高の安らかな時間を過ごしている人物がいる。

 元婿の就職に尽力した側近に特恵を提供した疑惑、大統領在任時代の大統領府特活費が夫人の衣装費として支出された疑惑、長女のダヘ氏がソウルと済州の不動産を無許可のまま共有宿泊サービス「Airbnb」で不法に運営している疑惑など、自身と家族を狙った検察の捜査がオールストップになってホッとしている文在寅(ムン・ジェイン)前大統領だ。

 それに加え、ここに最近は大統領退任後に創業した書店「平山書房」が中国人観光客でごった返し、大好況を謳歌しているというニュースが報じられた。

アイドル本人に会ったかのような興奮ぶり

『韓経ドットコム』(韓国経済のネット版)は3月10日、「文大統領に会えるなんて!夢のようだ…中国人が平山書房に集まる理由」というルポ記事を掲載した。

 記事によると、「文在寅元大統領が運営している平山書房が中国人の間で観光名所として浮上した」という。週末など多いときは一日に1000人ほどの中国人が訪れるというから、結構な儲けになっているそうだ。

 記事では、韓経ドットコムの記者が直接平山書房を訪問し、中国人にインタビューした内容が盛り込まれている。インタビューに応じた20歳の中国人女性は、「中学校の時からこの日だけを待っていた。直接会うことができるなんて涙が出そう!」と話し、まるでアイドルに会ったかのように興奮を隠すことができなかったという。

書店の店頭に立つ文在寅前大統領(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 また中国人に「文在寅推し」が多い理由として、「中国と良い関係を維持することが重要だと知っている人だから」「新型コロナの時に中国人を差別しなかった唯一の外国首脳だったから」といった感想も紹介されている。