今年4月、慶尚南道梁山市河北面にある自身の書店「平山書店」で客に商品を手渡す文在寅前大統領今年4月、慶尚南道梁山市河北面にある自身の書店「平山書房」で客に商品を手渡す文在寅前大統領(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の「高すぎるグッズ」が年末に入った韓国社会で話題となっている。

 在任時代から熱烈な支持層を持つ政治家として知られる文前大統領は、大統領退任後は居住地の梁山に「本屋」を開き、支持者らを対象に本格的な商売を営んでいる。これまでも、「前大統領」らしからぬ言動はしばしば批判の的になってきたのだが、年の瀬が近づいてきたこの時期に、今度は高価なカレンダーセットを販売していると報じられると、再び文氏に対する非難が巻き起こっているのだ。

支持者以外からの評判はいまひとつ

 2022年5月、大統領の座を退き、「田舎で静かに暮らしたい」と言って梁山市平山村にひっこんだ文前大統領は、私邸近くの空き家を8億5000万ウォン(約9400万円)で購入、リフォームを経て、今年4月に「平山書房」をオープンさせた。

 文氏は書店を営む意図を、「平山村をはじめ近隣の村の人々がいつでも本屋に来て本を読み、お茶を飲み、触れ合う機会をもてる空間になることを望んでいる。財団を設立し、利益は公益事業に使う」と明らかにした。あくまで私益のための事業ではないとの意図を強調したのだ。

 しかし、オープン初期の平山書房を訪問した『中央日報』のルポ記事で伝えられたのは、文在寅大統領の商魂の逞しさだった。

「書棚の半分が『文在寅の書籍』『文在寅が推薦します』といった文前大統領関連セクションで構成されており、〈文元大統領が直接印税を受ける本がこんなに多かったのか〉という悟り以外には特に見る価値がなかった」

今年4月に文在寅氏がオープンさせた「平山書房」には自身の本が平積みにされていた今年4月に文在寅氏がオープンさせた「平山書房」には自身の本が平積みにされていた(写真:YONHAP NEWS/アフロ)