尹錫悦大統領と金建希夫人(写真:代表撮影/AP/アフロ)

YouTubeに衝撃映像

 韓国の“美しすぎるファーストレディ”金建希(キム・ゴンヒ)大統領夫人の存在が、来年4月に予定されている韓国総選挙の大きな焦点になりそうだ。金夫人を巡っては2022年の大統領選挙でも経歴詐称疑惑や株価操作疑惑などが浮上し、野党「共に民主党」から猛攻を受けてきた。

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 こうした疑惑について韓国の検察は「嫌疑なし」の内部判断を下してきたが、これを尹錫悦大統領に対する忖度と見て、野党は尹政権誕生後も一貫して「金建希特検」捜査の必要性を主張してきた。そこに最近、金夫人が知人から高価なディオールのバッグを受け取る映像がYouTubeで公開されたことで、国民世論にも火がついてしまったのだ。

 最新の世論調査では、国民世論は圧倒的に「金建希特検」の導入に賛成している。特検とは、通常の検察組織から独立して任命される特別検察官に捜査を委ねる制度だ。もし、金建希特検が導入されれば、4月の総選挙に決定的な影響を及ぼすものとみられる。

 2022年の大統領選挙期間中、共に民主党は尹錫悦(ユン・ソンニョル)候補ではなく、金建希夫人を狙って各種疑惑を提起し、「金建希氏は大統領夫人として資格がない」と攻めたてた。具体的には、博士論文をめぐる盗作疑惑、大学兼任教授職を引き受けるために提出した履歴書で経歴を膨らませたという疑惑、怪しい巫俗人に陥って彼の言うとおりに夫を操っているという疑惑、大学時代に「ジュリー」という名前で江南の高級ルームサロンでホステスとして勤めたという疑惑などだが、大部分がデマだったり犯罪が成立しない問題ばかりだったりした。

 ただ、法的に問題の余地がある疑惑もあった。資産家として知られた彼女の母親を巡る各種金銭スキャンダルだが、中でも「ドイツモーターズ」株価操作事件に加担したという疑惑では金建希氏の名前も取りざたされていた。