韓国・尹錫悦大統領の夫人・金建希氏(提供:The People Power Party/Lee Jae-Won/アフロ)

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領就任から1カ月半、ファーストレディーの金建希(キム・ゴンヒ)夫人の行動が保守支持層の悩みの種になっている。

 昨年12月、「妻の役割だけに専念する」と宣言していた建希夫人が最近になって開始した対外活動が、メディアから注目され、国民の非難に直面しているのだ。保守層の心配は的中した。最近では尹錫悦政権の支持率が下落傾向にあるが、これも「建希夫人の問題が影響を及ぼしている」との分析も出ている。

煌びやかなキャリアの陰に経歴を巡るスキャンダル

 金建希夫人は、韓国初の「キャリアウーマン出身」のファーストレディーだ。韓国国民大学校で博士号を取得した後、複数の大学で教鞭をとった。さらに2007年には文化芸術展示企画会社の「コバナコンテンツ」を設立して、いくつもの美術展を開催し業界にその名を馳せた。中でも、先月訪韓したバイデン米大統領も話題に取り上げた2015年の「マーク・ロスコ特別展」は、作品にかけられた保険金だけで2兆ウォンを超える大型展示会で、25万人の観覧客を動員し、その年最高の展示会と評されたほどだ。

 建希夫人の容貌も、世の注目を浴びる大きな特徴だ。170センチという長身でスリムなスタイル、はっきりとした目鼻立ちを備えた外見は、歴代韓国のファーストレディーの中でも際立っていると言っていい。また、現在48歳で、朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領夫人の陸英洙(ユク・ヨンス)氏を除けば、歴代で最も若いファーストレディーでもある。若く美しい容姿のため、韓国のファーストレディーとしては初めて「セレブ」としての影響力を備えているという評価もある。

 ところが、この若く魅力的な大統領夫人は、大統領選挙中に国民の前で、「ファーストレディーとしての地位を諦める」と約束していた。自身をめぐる疑惑が、夫・尹錫悦氏の当選に悪影響を及ぼすという判断のためだった。