
「韓国次期大統領の座に最も近い男」李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表の輝かしい未来に、ぶ厚い雲が立ち込め始めた。
大統領選挙をおよそ1カ月後に控えた5月1日、韓国最高裁は、李代表の選挙法違反事件に関して、ソウル高裁裁判部が下した第二審の無罪判決を棄却、有罪の趣旨で高裁に差し戻した。
これによって、ソウル高裁は新しい裁判部のもとで裁判を再開し、最高裁の判決趣旨に沿った判決を下さなければならなくなった。つまり、李代表がたとえ大統領に当選したとしても、「当選無効」がほぼ確実となったのである。李代表の大統領候補としての資格の有無について、いま韓国では活発な議論が戦わされている。
自らの実績と誇示してきた開発事業、不正発覚後は責任転嫁、そして実務担当者は自死を
李在明代表は2022年大統領選挙当時、2015年に李氏が市長を務めていた城南市と民間企業とのコラボで展開された1兆5000億ウォン規模の「城南市大庄洞(テジャンドン)土地開発プロジェクト」における、前代未聞の不正疑惑が発覚し、窮地に立たされていた。李氏は、選挙期間中、一貫して自分に関する疑惑を全面否認し、むしろ「大庄洞不正事件の真主犯は尹錫悦・国民の力候補」と主張した。
このお話にもならない主張はさておき、自身を擁護する過程で事実と異なる主張を繰り返した李氏は、国民の力と市民団体などから公職選挙法上の虚偽事実公表の疑いで検察に告発された。韓国検察は、李氏が大統領選挙で落選した22年9月、李氏の発言の中で特に「2つ」が虚偽事実公表に該当すると判断し、李氏を在宅起訴した。
検察が「李氏が選挙に影響を与えるために計画的に嘘をついた」とみた部分は、まず、大庄洞プロジェクトの実務を担当した城南市都市開発公社のキム・ムンギ・開発処長のことを「知らない」と言い続けた点だ。
李氏はこれまで口を開けば「大庄洞プロジェクトは建国以来最も成功した土地開発事業」と自画自賛し、自身の最大業績としてアピールしてきた。
しかし、何の実績もない「火天大有」という新興企業に事業権を集中させた結果、火天大有の一味が数千億ウォンの利益を得るという不正が起きるや、「自身は何も知らなかった」と言い逃れをはじめ、すべての責任を実務陣に押し付けてしまった。