第4部 世界の原油需給推移予測

4-1. OPEC (2025年4月度月報)/原油需給推移:

 本稿では、世界の原油需給推移を概観します。

 OPEC 4月度月報によれば原油需給は均衡・緩和傾向ゆえ、下記グラフの通り、OPEC短期油価予測も下落傾向になります(mbd=百万バレル/日量)。

 付言すれば、米EIA(エネルギー情報局)もパリのIEA(国際エネルギー機関)予測もOPEC同様、原油需給緩和・油価下落傾向となっています。

 油価下落傾向はロシアの更なる財政悪化に直結するので、ロシアの継戦能力低下は不可避と言えましょう。

42 IEA 20254月度月報)OPEC+原油生産量推移

 ご参考までに、IEA 4月度OMR(Oil Market Report)の要旨を報告します。

 現在のOPEC+参加国は計22か国です。今年5月から原油協調減産緩和(=その分、増産)で基本合意しているので、今後ますます油価下落に拍車が掛かることでしょう。

 付言すれば、OPEC+産油国の中で生産余力のある国は主にサウジアラビアとUAEのみです。

2025年度IEA/OMR(単位:mbd) 生産量 生産量枠 生産能力 生産余力
1月度 2月度 3月度 3月度 3月現在 3月現在
OPEC 9(アンゴラ除く) 21.98 21.88 21.94 21.1 27.10 5.17
(内)サウジアラビア 9.07 8.96 9.01 8.96 12.11 3.1
OPEC 12 27.42 27.48 27.35   33.02 5.2
OPEC+18 34.72 34.73 34.78 33.66 40.85 5.42
(内)ロシア 9.20 9.08 9.07 8.95 9.76  
OPEC+22 41.57 41.79 41.64   48.36 5.58