バチカンでトランプ大統領と2人だけで会談したウクライナのゼレンスキー大統領(4月26日、ウクライナ大統領府のサイトより)

前編から続く「本心は一刻も早い停戦望むプーチン、油価下落で流動性資金ほぼ枯渇」

第8部  ロシア産原油の新規代替市場/中国とインド

8-1. ロシア産原油 (ESPO原油) の新規市場/中国:

 ロシア軍のウクライナ侵攻開始後、欧州向け露ウラル原油は輸出先を喪失。欧州市場の代替市場として浮上したのがインドです。

 一方、中国向け主要露産原油はウラル原油ではなく、良質なESPO原油です。

 2022年2月のロシア軍のウクライナ侵略戦争開始後、中国はロシア産原油輸入量を拡大しました。

 ご参考までに、2015年から2025年2月までの中国のロシア産原油月次輸入量推移は下記の通りです。 

出所:上下共に中国通関統計より筆者作成

8-2. ロシア産原油 (ウラル原油) の新規代替市場/インド:

 ウクライナ開戦後、インドが輸入拡大した露産原油はウラル原油です。

 インド通関統計からCIF油価(Cost, Insurance and Freight=保険料と運賃を含んだ油価)を換算しました。

 ただし実際の値決めは通関月よりも1か月前になるので、通関統計油価を1か月前倒しして作成したのが下記グラフです。

 CIF油価がFOB油価より安くなっており、バナナの叩き売りがよく分ります。