
前編から続く「本心は一刻も早い停戦望むプーチン、油価下落で流動性資金ほぼ枯渇」
第8部 ロシア産原油の新規代替市場/中国とインド
8-1. ロシア産原油 (ESPO原油) の新規市場/中国:
ロシア軍のウクライナ侵攻開始後、欧州向け露ウラル原油は輸出先を喪失。欧州市場の代替市場として浮上したのがインドです。
一方、中国向け主要露産原油はウラル原油ではなく、良質なESPO原油です。
2022年2月のロシア軍のウクライナ侵略戦争開始後、中国はロシア産原油輸入量を拡大しました。
ご参考までに、2015年から2025年2月までの中国のロシア産原油月次輸入量推移は下記の通りです。

8-2. ロシア産原油 (ウラル原油) の新規代替市場/インド:
ウクライナ開戦後、インドが輸入拡大した露産原油はウラル原油です。
インド通関統計からCIF油価(Cost, Insurance and Freight=保険料と運賃を含んだ油価)を換算しました。
ただし実際の値決めは通関月よりも1か月前になるので、通関統計油価を1か月前倒しして作成したのが下記グラフです。
CIF油価がFOB油価より安くなっており、バナナの叩き売りがよく分ります。
