裸にさせられ冷水を浴びせられた
報道によれば2007年から合法的に米国に居住している34歳の男性は、3月7日に欧州(報道により、ドイツまたはルクセンブルクの説あり)での滞在を終え、米国に戻った。米東部・マサチューセッツ州のローガン空港に到着後、入国管理局に拘束された。
地元メディアの取材に答えた母親によれば、ようやく男性の所在が判明し直接連絡が取れたのは11日、男性が入院を余儀なくされたことを知らせてきた時だという。男性は空港到着後、数時間に渡り尋問され、裸にされた上、職員2人に冷水のシャワーを浴びせられたと証言している。拘束の理由については、グリーンカード上の問題としか説明されていないという。
母親はまた、移民局職員が男性にグリーンカードを返上しろと圧力をかけたとも話している。食べ物や水などもほぼ与えられず、抗うつ剤の摂取も認められない劣悪な環境に置かれているとした。
男性は10年前、大麻所持により軽犯罪法違反の容疑をかけられていたが、カリフォルニア州で合法化されたため、取り下げられたという。また、同時期飲酒運転で罰金を支払っているものの、すでに解決済みだともされている。
3月24日の地元テレビは裁判所の文書を引用し、男性は6月にボストンの移民裁判所で審問予定だとし、これより2カ月以上も拘留され続ける可能性に言及している。同局はまた、男性が何らかの罪で起訴されたのかも不明であるとした。
独外務省スポークスマンは今月17日、これらの事例を把握していると述べると共に、状況を見極めた上で他の欧州連合(EU)諸国と連携し、これらが個別のケースなのか、米国の移民政策の変容なのかを判断し、必要に応じて渡航および安全に関する助言を調整するとしている。
多数の報道ではこうした措置が、今年1月に発足したトランプ政権による厳格な移民政策の一環ではないかと分析している。しかし、先の事例のように国境で拘束されたあるカナダ人女性は、英ガーディアン紙への寄稿で別の見方を示している。