2025年1月20日、米連邦議会議事堂で開かれた就任式で宣誓するトランプ大統領。右隣は妻メラニアさん(写真:ロイター=共同通信社)
(松本 方哉:ジャーナリスト)
異例で型破りな大統領就任式の様子
1月20日、第47代米大統領となるドナルド・トランプ氏の就任式が米議事堂内で行われた。
通例は議事堂の外にある西側階段を使って行われる就任式だが、凍えるほど寒い一日となったため、1985年のロナルド・レーガン元大統領の再選時の就任式以来、40年ぶりとなる屋内での就任式となった。一般の観衆は場所が狭いため、市内の屋内スタジアムに設けられた大型スクリーンで式典の様子を見守った。
2016年の第1次トランプ政権の時とは異なり、式典そのものはこぢんまりとしていたが、前大統領のバイデン氏は82歳、トランプ氏も78歳で、議員にも高齢者が多い中、寒さで体調を崩す心配はなくなった。また、トランプ氏は暗殺未遂事件に直面しているので、屋外で警備をするのは困難を極めると考えられてきただけに、結果的には屋内での開催で正解だった。
式典には新政権の閣僚候補たちやトランプ氏の親族、クリントン元大統領夫妻ら歴代大統領夫妻、共和党・民主党の議員たち、そしてアマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏ほか米IT企業のトップや各国大統領などの来賓が集う中、トランプ新大統領が会場に姿を見せると「USA! USA!」の掛け声と共に大きな拍手が起きた。
トランプ大統領の就任式に出席したビル・クリントン元大統領(左)、ヒラリー・クリントン元米国務長官(中央)、ジョージ・ブッシュ元大統領(右)【写真:Pool/ABACA/共同通信イメージズ】
就任式に出席したアマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏(左)【写真:Pool/ABACA/共同通信イメージズ】
正午少し前、トランプ大統領は緊張した表情で右手を上げ、「私、ドナルド・ジョン・トランプは合衆国大統領の職務を忠実に遂行し、全力を尽くして合衆国憲法を維持、保護、擁護することを厳粛に誓う」と宣誓し、会場は拍手に包まれた。ちなみにこの時、慣例である左手を聖書にのせる動作をとらなかったことが「型破りだ」との議論も呼んでいる。
