米国ではトヨタや日産なども…どうする日本企業?

 経済同友会の新浪剛史代表幹事は1月15日の記者会見で見解を問われ、「米国は確かに(DEI推進が)あまりにも行き過ぎていた。(重りが)片方に行き過ぎた振り子は真ん中の方へ戻ろうとする。そのような局面なのだろう。今回、トランプ氏が勝利したということで、各企業は敏感になり、振り子(の重りを真ん中の方向へ)戻してきている」との考えを示しました。

 そのうえで、DEIの一番のポイントは「異なるビジョン、異なる視野を持っている」人材がイノベーションを創出することだと指摘。日本企業はDEIの推進が米国よりも遅れていることなどから、「(DEIは)ますます重要であると認識して推進していかなければならない」と強調しています。

 米国では、トヨタ自動車や日産自動車などの日本企業も、多様性に関する外部の企業評価に協力しないといった姿勢に転じています。DEIを廃止・縮小すると、多様な人材を確保できなくなったり、市場が狭くなったりするリスクも予想されますが、DEIを逆回転させると、新たなリスクに直面する恐れもありそうです。

フロントラインプレス
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