当時、どう見ても政府相手に劣勢だったトランプ側だったが、ロイが司法省の男のセックススキャンダルを掴み、脅迫。結果は政府が折れて示談となり罰金もなし、トランプ陣営の大勝利に終わる。
ついにモンスター出現
ますますロイを信頼するドナルド。トランプはイタリアの世界最高峰のスーツブランド、ブリオーニのスーツを愛用していることで知られるが、友情の証として、ブリオーニの高級スーツを彼にプレゼントしたのもロイだった。
大切なのは勝つこと。勝ちたいならなんでもやれ。勝利のためにはどんな汚い手も使う成功者をお手本にドナルドは大事業を成し遂げていく。成功を重ねるうちに彼はロイの想像すら及ばなかった悪魔へと変貌。自分とは対照的に弱っていく父親に詐欺まがいの手口で署名を迫ったり、さらには吸収し尽くしたのか、ついにロイとの立場も逆転する。
誰も手がつけられなくなっていくドナルドの巨大化も面白いが、アルコール依存症の兄との確執、妻イヴァナとの馴れ初めといった、アメリカのロイヤルファミリーとして、多くの人が注目するトランプ一家のエピソードの一つ一つがまた、とても興味深い。