プーチンはもはや「裸の王様」

 ウクライナのルステム・ウメロフ国防相は11月5日、韓国の公共放送KBSとのインタビューで、北朝鮮兵士はロシア軍に交じり、露ブリヤート共和国の兵士を装っていると指摘している。ロシア軍は北朝鮮部隊を自軍の部隊編成に統合しようとしていることをうかがわせている。

 自らを「戦時指導者」「ストロングマン」と位置づけるプーチンにとり、人口1人当たりの実質国内総生産(GDP)世界211位(2015年推定)の北朝鮮に祖国の領土を守ってもらわなければならないことは屈辱なのかもしれない。

 ISW(11月5日)は「自国領土奪還のため外国軍を必要としていることを認めると、ウクライナ軍のクルスク州侵攻でロシア人の徴兵率が向上したというプーチンの主張を否定することになる。このためクレムリンは北朝鮮軍への言及を避ける可能性が高い」と分析している。

ウクライナ軍のドローンで撮影したと見られる、ウクライナ軍陣地を襲撃した後、木の陰に隠れる北朝鮮兵士(ゼレンスキー大統領のX投稿より)
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 プーチンは主要メディアを完全にコントロールしているとは言え、SNS上では軍事ブロガーたちの投稿で北朝鮮兵士の奮闘は公然の秘密になっている。それでもクルスク州で戦う北朝鮮軍の存在を隠そうとするプーチンはもはや「裸の王様」だ。