【106万円の壁】労働時間などの条件によって社会保険の扶養から外れる

 106万円の壁は、社会保険の壁です。「106万円」は交通費を含まないで計算し、毎月支払われる給与(所定内給与)だけで計算します。

 被扶養者が106万円の壁を超えると、健康保険と厚生年金保険の保険料の支払いが発生します。

 ただし、106万円の壁を超えたら必ず社会保険料の支払いが発生するとは限りません。106万円の壁が適用になるのは、次の5つの条件をすべて満たす場合です。

①週の所定労働時間が20時間以上
②賃金月額が月8.8万円以上(年約106万円以上)
③従業員が51人以上いる
④雇用期間が2カ月を超えることが見込まれる
⑤学生でない

 健康保険料と厚生年金保険料は「標準報酬月額×保険料率」で計算します。

 標準報酬月額は、毎年4月〜6月までの平均賃金(報酬月額)からわかる金額。健康保険の保険料率は都道府県により異なります。厚生年金保険料の保険料率は一律で18.3%です。

 また、40歳〜64歳であれば、健康保険料とともに介護保険料も引かれます。

 東京都の場合、健康保険料と介護保険料を合わせた保険料率は11.58%(2024年度)です。

出所:『パート・アルバイトで働く人のための「年収の壁」で損しない本』(監修:頼藤太希・高山一恵、宝島社)より
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 平均賃金を「標準報酬月額表」に当てはめれば、社会保険料はすぐ算出できるようになっています。健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料は「労使折半」といって、勤め先と従業員で半分ずつ支払います。