(西田 亮介:日本大学危機管理学部教授、社会学者)
数で押し切る政治が終わり…
臨時国会が始まった。
与党が連立を組んでも過半数を維持できない「宙吊り国会」となった衆院選直後から、総理大臣を指名する特別国会の首班指名選挙、そして、その後の与野党の駆け引きまで大荒れとなっている。
以前も述べたように、改選前7議席から28議席まで増えたとはいえ少数野党の国民民主党がキャスティングボートを握り、存在感を見せている。
第2次安倍政権以後、低投票率のもとで、連立与党が高い得票率で290〜300議席程度を獲得し、野党は安定的共闘に至らないまま、法案をほぼ確実に成立させられる絶対安定多数を超えていることを背景に、最後は数の論理で押し切る政治がつい先日まで常態化していた。
そのなかで日本政治から現実的な政権交代に裏打ちされた緊張感と与野党を超えた熟議の政治が失われた。
◎数で押し切る「平成の自民政治」が終わった…来年の国会は予算案から大荒れ、現実味帯びる参院選後の「ねじれ国会」 【西田亮介の週刊時評】| JBpress (ジェイビープレス)
その2010年代的政治が終わった。先の原稿では「政治に緊張感と議論がかえってくることが何よりも望ましい」という趣旨のことを書いた。
実際どうか。