部下を個室に呼んで指導することは日常風景だが…。写真はイメージ(写真:mapo_japan/Shutterstock.com)

職場の先輩・上司・管理職として、部下や後輩を個室に呼んで指導したり、仕事の話をしたりした経験がある人は少なくないでしょう。でも声のかけ方によっては、必要以上に不安を抱かせてしまうことがあります。余計な負担をかけないようにするには、どんな配慮が必要でしょうか。

(松下 隼司:公立小学校教諭)

公立小学校の教師は次々と代わる管理職の下で働く

 こんにちは。公立小学校教諭の松下隼司(46歳)と申します。教師になって22年目、2児の父親です。授業や学級経営、子どもや保護者への対応、同僚への接し方、アンガーマネジメント…46歳になった今でも失敗をしており、そんな教師としての日々の失敗を「Voicy」という音声配信サービスで『しくじり先生の「今日の失敗」』として放送しています。

 さて、私(教諭)が働く公立小学校という職場には、校長や教頭といった上司(管理職)がいます。都道府県によって多少違いますが、校長や教頭は2~4年ごとに転勤になります(私の経験では、3年間で転勤される管理職が最も多いですね)

 おそらく一般の会社で社長や副社長が代わるよりも頻度が高いでしょう。そのため、公立小学校で勤めていると、会社勤めの方に比べて、たくさんの管理職の下で働くことになります。その分、管理職の一言で、一喜一憂することが多いかもしれません。私自身、上司である管理職の一言に、必要以上に不安や疑心暗鬼の感情が募ってしまったことがあります。

 そんな私も若手の教諭を指導(というかアドバイスでしょうか)する年代になり、どうやって声がけするのがいいのか、考える機会が増えました。

 みなさんの職場には、応接室や会議室などの小部屋があるかと思います。もし、職場で後輩や部下に仕事の用事があって、そんな小部屋に呼んで話す必要が生じたら、どのような言葉をかけるでしょうか?

1. 「ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」
2. 「教えてもらいたいことが、ちょっとあるんだけど…」
3. 「ちょっと来てもらっていい?」
4. その他

 上の1~3は、文字だけ見ると、どれも大差はないと思われるかもしれません。

 でも実は、思っているよりも違いがあるものです。