隔世の感を禁じ得ない国会に

 政治改革については早くも大きな動きが認められる。

 まず政治資金を監督する「第三者機関」設置について、公明党は総務省の政治資金適正化委員会の改組を、自民党は立法府への設置を提案するなど政策論争が始まっている(余談だが、筆者は先の通常国会の政治改革特別委員会に招聘され、この問題について意見陳述を行い、そのなかで国会設置案を主張した。使用した資料はこちら(リンク先はPDF))。

 さらに、政党が議員個人に寄附する政策活動費については自民党も廃止を、企業団体献金についても減額や廃止を軸とし、遅々として透明化が先送りされていた議員個人に月100万円提供される旧文通費の使途公開を進める模様であることが報じられている。

旧文通費 与党 臨時国会で法改正目指す 野党 政治改革で連携へ | NHK

 それだけにとどまらない。臨時国会を前に与野党すり合わせが行われ、自民、公明、立民、日本維新の会、国民民主、れいわ新選組、共産が参加し、立憲民主党が主張したことから、会議の冒頭のカメラ撮りのみ認められているのが通例のところ、カメラを入れてフルオープンで実施されたのだという。

異例のフルオープンで「政治とカネ」7党協議 自民は臨時国会前の「擦り合わせ」を打診したが…主張に大きな隔たり:東京新聞デジタル  

 筆者はたびたびこの政治改革が主張される一方で、まったく具体化せず、すでに決まったことを繰り返し、目新しく主張しているだけだということを岸田政権末期から自民党総裁選、衆院選、石破政権誕生直後まで繰り返し言及してきた。

【矛盾連発の石破首相】掘り下げぬ裏金、開かぬ予算委…石破氏の“変わり身”と無関係ではない新聞・テレビの凋落 【西田亮介の週刊時評】| JBpress (ジェイビープレス)  

 そのことを思えば隔世の感がある。世論と国会における政治改革に関する「機会の窓」が30年ぶりに開かれているといってもよいだろう。

 引き続き、予断を許さないが、臨時国会で具体化が相当程度期待できるので、制度の細部がどうなるのか注視していきたいし、気になる点はこの連載でも共有していくつもりである。

官邸入りする石破首相(写真:共同通信社)官邸入りする石破首相(写真:共同通信社)

 その一方で、最近の政治について気になる点もある。